一人旅の旅先で、一人でレストランに入ること
1. 一人旅だとレストランに入りづらい!?
一人旅経験がある方は、旅先で、レストランに一人で入りづらいという雰囲気を感じたり、なんとなく一人で入るのが恥ずかしいと感じたりしたことはありませんか?
少なくとも僕は何度もあります。特に一人旅初心者の頃は、一人で旅先にあるレストランなどに入ることが難しいと感じていました。
例えば沖縄の国際通りには三線の生演奏が楽しめるレストランがありますが、僕はそこへ一人で入る度胸がなく、行き先をファーストフード店であるA&Wに変更したりしたことがあります。
レストランの店内がカップルやファミリーなど複数人のグループ客ばかりの中一人で利用すると、何となく周りから浮いて目立ってしまい、
「あの人、友だちがいないのかな?」
「あの人、孤独な人なの?」
などといったネガティブなイメージを持たれたり、笑われたりしないかと気になったりもします。
もちろん、本来そんなことは気にしなくて良いのだと、頭の中では分かっているのだけれど…
2. 地方(田舎)よりも都会の方が気を使わないで済む?
僕の感覚では、国内外を問わず、何となく都会よりも地方(≒田舎)の方がそういった雰囲気が強い気がします。
(1) 都会では
今の時代、都会では駅前や空港、街中やオフィス街などにあるレストランやカフェを「お一人様」で利用することは「当たり前」でしょうし、むしろ忙しそうにPCなどを使ってテレワークをしている「お一人様」のサラリーマンなどがいっぱいいる事も多いですよね。
最近は"お一人様"用のカウンター席や、飛行機の"ビジネスクラスみたいな形"の座席が用意されているレストランなども多くあります。
ちょっと待ち合わせをするため、ちょっと一息つきたいから、ショッピングやデートの間の休憩に、などといったちょっとした普段使いでレストランを利用する人も多いでしょう。
(2) 地方(田舎)では
しかし地方では、都会と比較してみると、一般的にレストランやカフェなどの店舗数があまり多くなく、身近な距離に存在する店舗数も限られているのではないでしょうか。
そうした地方の環境下では一般的にレストランやカフェは"普段使い"の場所ではなく、どちらかというと休日に家族や友達などのグループで自動車に乗って出かける「非日常的な場所」なのかと思います。つまり一人でわざわざ出かけるという場所でもないのでしょう。
現に僕は島根県などの地方に住んでいたことがありますが、レストランやカフェと言える様なお店の多くは松江市や出雲市などの駅前や出雲空港のターミナルビル内、道の駅など主要国道沿いなどにしかなく、郊外にはレストランではなく寿司屋やラーメン店がパラパラと点在するくらいでした。
そしてその島根で一緒に働いた方々にとってはレストランというとどこかちょっとお洒落で憧れる特別な存在で、休日に家族や友だちなどと行くというイメージのようでした。中にはファミレスではお馴染みの「ドリンクバー」という物を知らない人もいた事に驚いたこともあります。(お世話になった島根の皆さんには申し訳ないですが…)
もちろん、これらの例がすべての例で当てはまるわけではないでしょう。しかし一般的な都会と地方のレストランやカフェを比べると、やはりその様な傾向が強いのかなぁと思います。
そしてこれは日本国内に限らず、少なくとも欧米先進国の僕が今までに訪れたことのある多くでもそんな雰囲気が見受けられました。
3. 一人旅の旅先でレストランに入りたければ
もちろん、レストランを一人で訪れたって何も悪いことではなく、むしろレストラン側からしたらお金を払ってくれるお客が1人でも来てくれる事は嬉しいことでしょう。
ただ、問題はお店の側の問題ではなく、"周りの目"ですよね。そんなとき、どうすれば良いでしょうか。
周りの目が気にならないという人は遠慮なく利用すれば良いと思いますが、どうしても周りの目が気になる人は、やはり僕は都会の駅前や空港の構内など、一人利用のビジネスマンなどが多いレストランやカフェなどを利用するのが良いかと思います。
または一人旅の観光客が多い観光地付近のレストランやカフェなどでも良いかも知れませんね。
一人旅の途中、乗り継ぎなどでターミナル駅や空港を利用する機会が多いかと思います。その駅前や空港には、大体その国や地域を代表する様なグルメや名物を扱うレストランやカフェがあるもの。
例えば新千歳空港の国内線旅客ターミナルビルには北海道のラーメンの名店が集まったゾーンがあるし、那覇空港の国内線旅客ターミナルビルには和食と沖縄料理のお店や沖縄ステーキの名店などがあります。羽田空港第二旅客ターミナルビルには江戸前寿司の店や横浜のレトロな珈琲店などがあります。
その国や地域の美味しいグルメを味わいたいならば、旅の行程を組むときに、ターミナル駅や空港を通過するついでにそんなレストランやカフェに立ち寄るスケジュールを組み込むと良いかと思います。
4. どうしてもレストランやカフェに入れないという場合は
(1) ホテルの朝食ブッフェ
観光客のゲストが多く利用するホテルの朝食には、外地から訪れたゲストを喜ばせる意味も含めてその地域の名物やグルメなどを食事の中に取り入れていることが多いです。
例えば北海道のホテルでは朝食バイキングにハスカップのジャム、イクラやイカの塩辛、シャケなどが出されたり、那覇のホテルではタコライスや海ぶどうが出されたりしました。
ロンドンのHGホテルでは分厚いベーコンやベイクド・ビーンズ、バルセロナのACホテルでは揚げたてのクロケッタやトルティージャ、ピンチョスなどが出されたりも。
市中のレストランやカフェを利用しなくても、ホテルでご当地グルメを楽しむことも出来ます。
(2) 市場
街の市場などを利用するのも良いかもしれません。
那覇ならば現在移設中の牧志公設市場に行けば石垣島産のスナックパインやマンゴーソフトなどが味わえます。台湾ならば有名な士林夜市、マドリードなら先日も記事でちょっと触れたサンミゲル市場など。
こうした観光客も多く訪れる様な市場ならば、その国や地域を代表するグルメを取り扱うお店が結構あります。
ちなみに東京の豊洲市場でも「千客万来」施設を建設中ですよね。今は仮設の施設が営業されているそうです。
(3) スーパーマーケット
上の2つと比べると、「出来立て」を味わうことができない分オススメ度は下がりますが、現地のスーパーマーケットを利用するという手もあると思います。
フランスの大手スーパー「カルフール・マルシェ」では太いバゲットや多種多様なパンやクロワッサン、デニッシュ多く取り扱っていました。それらに加えてクリームチーズや生ハムにエビアン、ときにはワインも購入し、ホテルに持ち帰って部屋で地元のテレビ番組を見ながらゆっくり味わうのも良いでしょう。
5. 一人旅だからこそ味わえること
旅先で一人でレストランやカフェに入りづらいと思うことは、ひょっとしたら一人旅以外の旅では気付くことが難しい、一人旅だからこそ感じられることなのかも知れません。そういう意味では一人旅による新たな発見と言えるかも知れません。
そして一人旅だからこそぶつかるこうした様々な問題に対し、一人でそれをどう克服するか、代わりに何を用いるか、何が一番楽しめるかといった事を自由に考えたり、工夫したりし、それを自身の成長に繋げたりすることが出来るのも一人旅の良さかと思います。
一人旅には、このように一人旅でしか味わえない、感じられない、学べないことが山ほどあります。
一人旅の旅先の地方のレストランで、周りの目を気にせずに我がもの顔で"お一人様"を堂々と満喫できるようになったら、なかなかの一人旅の上級者と言えるかも知れませんね。